トップランナーの構造

ここ最近トップランナーという番組があまり好きではなかった。というよりも箭内道彦という人物があまり好きではなかった。何たいしてもわかったふりで、「わかるよ、いいねそれ、わかるわかる」といって人当たりの良さで押し切ってしまう要領よしの人気者タイプ。一通りの事は人並みにできて、特別得意なものも不得意なものもこれと言ってない。きっと収録に当たって相手の事をたいして調べもしてないので、当たり障りのない凡庸なコメントしかせずカンペ通りのつまらない質問しかできない。そのくせミーハーで自信家。(勉強好きなミーハーは物知りになれる)アシスタントの女性はこぞって箭内に惚れてしまい、箭内にべたべたの発言ばかり。どうしようもない番組だと思っていた。

しかしである。先日、トクマルシューゴ見たさにトップランナーを見たのだが、実は箭内という男はゲストをはかるリトマス試験紙としての役割を暗に制作サイドから託されているのではないかと思いついた。ゲストが「やなヤツ箭内」に対してどういう態度をとるかという事でゲストの物事に対するスタンスがわかってしまうのだ。箭内に寄り添ってしまう人は、口先にだまされがちな人、箭内に対して批判的な口上を述べる人、反論する人は確固たる自信を持っている人、明らかに箭内の浅さに感づきながらも彼から一歩引くだけにとどめておくひとは人は謙虚な人、というように。人間観察を楽しませるために劇薬箭内をNHKは投入しているのだろうと勝手に考えた。もしホントに狙ってそうしているなら、ますますNHKが好きになっちゃうな。