2011-01-01から1年間の記事一覧

沖縄のこと、もしくはお金でなんらかの物を買うことについて

今月の頭に沖縄に行ってきた。高校時代の友人4人との旅だったが、うわべでは言葉を言葉で洗う過酷なディスりあいがおこなわれつつ、本質的にはのんびりした旅行だったと思う。夏はまだまだ夏で、夕方の夕立も含めて夏だった。実質3日間の行程で、かの有名な…

横光利一 『機械』 を殺しの告解として読む 

機械・春は馬車に乗って (新潮文庫)作者: 横光利一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1969/08/22メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 54回この商品を含むブログ (38件) を見る横光利一『機械』を以下の観点から、解題していこうと思う。 1、内発的な感情が欠如…

コーマック・マッカーシー 『ザ・ロード』

ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)作者: コーマック・マッカーシー,黒原敏行出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/05/30メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 54回この商品を含むブログ (67件) を見る最近はアメリカの小説家の作品か、アメリカを舞台にした作品…

電話

僕は電話がとても嫌いです。何をしているときでもこちらには覚悟がないままに突然かかってきて、突然しゃべりかけてきて予定だとか生活を邪魔するし、シカトしようにも無視できる理由がさしてないのですぐにばれてしまうし。かけている方は覚悟をする猶予が…

 『東京公園』 『奇跡』

高校時代の友人と一緒に池袋文芸坐で映画を見た。文芸坐には初めて行ったのだが、いまどき珍しい入れ替えなしの映画館だった。東京の映画ファンにとっては常識なのだろうが。オールナイト上映イベントも豊富にやっているみたいだった。1本目は青山真治氏の『…

 高野文子 『るきさん』

るきさん (ちくま文庫)作者: 高野文子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/12/01メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 94回この商品を含むブログ (155件) を見る女性が人として描かれない時代というのはまだ20世紀がうら若く希望に満ち溢れていたころのこ…

[書評] ドン・デリーロ 『ボディ・アーティスト』

ボディ・アーティスト (ちくま文庫)作者: ドン・デリーロ,上岡伸雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/07/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (12件) を見る『ボディ・アーティスト』において主人公宅に出没するタトル先生(…