大人シリーズ完結編:五十日(ごとおび)を気にする人は大人だ / はるの話

どこの地方特有なのかは分からないけれど、関西には「はる」という言葉がある。「〜さんが〜しはる。」などのように使ってちょっとした敬意を気軽に表せる便利な言葉である。けれども、関東方面の言葉しか喋れない僕のような人はこれを語尾につけることができず、はるはるはるはると敬意が横行するなか、ちょっと無礼なヤツだと思われてしまいがちなのである。かといって敬意を表すると、「〜される」や「〜してらっしゃる」みたいになり、やたら重々しくかしこまってしまう。なので目下ポップな敬語を探し中。
七尾旅人湯川潮音トモフスキーには共通する何かを感じる。が、深く考えられるほど聴きこんでいない。
黄色い塗装がはげかかって、下からのぞく金属が焦げ茶にさびているジャングルジムを目前にして、「こちらはバナナでできた遊具でございます」と説明され、意気揚々と登ってみたら実はキリンの首だった、というアフロな夢を見る。
米やパンの減りが余りにも早い気がして、押し入れの戸袋を睨んでみたりする。中に誰かが棲んでいるのではないかと。日にちの概念がいつできたのかは知らないが、人間が日にちを知らなかった頃、貯蔵しておいた肉などが思いのほか早くなくなっていることに気付いた人はものすごく疑心暗鬼になって誰かを疑ったのではないかという気がしてならない。
ライナーノーツ文体をぶっとばせ、という言葉にギクっとする。
フランス語の数の数え方(特に1000以上)にはイライラを通り越して存分に楽しませてもらった。ちょっと笑いが止まらない。