まりぴーでのりぴーしてるあいつの気持ち

五日前の出来事に関して。ケンモチ君(仮名)とお茶の水へ。本来の目的はBOSSのデジタルディレイ探し。ZAZEN BOYSの4枚目のフライヤーで向井君が顔の前にかざしてるやつ。

行きがけに、スケボーショップで働きながら浪人しているイマイさんも連れて神保町のボンディという店で1400円のチーズカレーを食べる。

ビミ、神様、ビミ。

実はぶつぎりのマッシュルームがいい仕事をしている。カレーを食べつつイマイさんがロサンゼルスでホームステイしてた時の話を聞く。ちなみにイマイさんは移動手段が地下鉄かスケボー。でもって横断歩道のときだけ徒歩。スケボーを小脇に抱えて。スケボーの裏には黒字にピンクで「L.A.M.F」と書いてある。Like A Mother Fucker のことなんだって。 僕は『Like A Honey Bee』くらいまでにしかついていけない。

彼がロサンゼルスで学んできたことは、スケボーの乗り方、まりぴーでのりぴーしてる時の気持ちよさ、アメリカにおいて中指を立てることの意味、等々いろいろある。

白人のホストファミリーが運転する車で交通事故にあった彼は、態度の悪いホストファザーに中指を突き立てて即日勘当。(アメリカのハイスクールではエフユーシーケイと口にするだけで退学らしい。)その後自力でヒスパニック系のステイ先を見つけ出す。

しかし、ヒスパニック系の人々の生活の貧しさは目を覆いたくなるほどで、その家庭の10人の子供と怒鳴り合いながら飯の取り合いをする生活を送る。まりぴーもその頃に始めたらしい。飯の味が変わるんだって。常にお腹を空かせていて味のないガムや錠剤ばかり噛んでいたとのこと。

その後、まりぴーがばれそうになって帰国する。今ではスケボーショップで働きながら医学生を目指しているという。イマイさんは「ヒスパニック系の人って自分を顧みない慈善精神があるからさ、すごいと思うんだけどね」と言っていた。ちょっと泣ける話だ。


そんな話が終わったあたりで2杯目の水も飲み終えて、イマイさんは予備校行ってくるからと言ってスケボーに乗って、曇り空の下颯爽と消えていった。

その後、ケンモチ君と二人でレコードをサクサク。ヴァン・ダイク・パークスは結局なかった。ショック。下北沢でカっときゃよかった。その日した一番高い買い物は「人生」のCD1800円。ピエール瀧がまだ畳だったころの話。他にはサニーデイのシングルをぐちゃぐちゃと買う。

チャップリンのVHSが100円だったので買ったら至るところの万引き予防磁気検査機でビービー反応し、説明に疲れる。

大島書店で「知られざる、禁じられた変態の歴史」みたいな感じの洋書を買う。表紙には、箒にまたがった全裸の女の子たちが列をなして次々と暖炉の中に入っていく、という挿絵が書かれている。後期は英語の片方の授業に出ずにそれを一冊訳すことにする。バダイユの「エロスの涙」を読んどきゃ大方中身はわかるはずだが。

デジタルディレイは駆けずり回ってようやく1軒の店で見つかる。ケンモチ君がオルガン用に買う。MTRはいいのが見つからない。

夕方、路上でお茶を飲んでいたらぶっくり太ったハチがやってきて刺されそうになったので、めちゃくちゃに走って逃げたら秋葉原についてしまう。仕方なく「ラジオ会館の上にあるフィギュアコーナーはめくるめく変態の世界だ」というケンモチ君の言葉に乗せられて、ラジオ会館をのぞく。フィギュアよりもびっくりしたのはアイドルカードコーナーで、よく知らないアイドルが実際に着た水着(このあたりがマユツバだが)の一部を切って封入してあるカードが一枚1500円ぐらいで売っていた。100枚くらいあるアイドルごとのカードをコンプリートしたデッキもかなり高額で売っていた。人気が価値として貨幣で表現されているということである。人身売買とそう変わらんじゃないかと思う。スポーツ選手の契約云々も人身売買と変わらんじゃないかと常日頃から思っているが。ケンモチ君が一瞬頭をおかしくして、仲村みうのコンプリートデッキを買おうとしていたので、あわてて止める。塾の講師で今月20万円稼いでいるケンモチ君である。先払いでドーンとキャッシュでもらったらしい。完全に金の使い方を忘れてしまっている。両脇を1万円のアイドルに固められている2千円のアイドルのいたいけな笑顔を8秒くらい眺めていろいろ考えるのをやめて帰った。

読みにくいから改行しろと言われたので少し改行してみる。読んで欲しくないところはあまり改行していない。

ついったーはじめました。使い方わからないけど。