結局「夜」とは23時過ぎのことだったようだ。

うすぼんやりとしていた日々が一転、夏となる。思い出しつつしたためる。
さきおとといは、渋谷でOカザワ氏と旅行の計画を立てつつ、曽我部恵一氏が出没するという噂を聞きつけて下北沢のカフェに再び向かう。夏の夕方特有の未練がましい暗がりの中、渋谷の坂の上から下北沢まで歩いた。途中東大近くで夏祭りやなんかが開かれていた。四隅全部にミラーが生えている交差点、通称「ガマの油」を見つける。浅野忠信はサッドバケイションという映画の中で交差点においてあるミラーを引っこ抜いてそれを見ながら浅原彰晃のような髪型を短く切りなおしていた。汗をかいた所で店に着く。「曽我部恵一(DJ女性上位時代)ラウンジDJやってます、8月20日夜〜」という貼り紙が店にはしてあるのだが、「夜」の定義がいまいちわからず、念のため19時から席を陣取ってトマトジュースを舐めるように飲んでおく。途中でハンペン氏(21枚目)も合流し、グダグダ度が増す。酒も入って各人の周りにいる女性の話になる。みんな贅沢を言っている。贅沢は敵である。欲しがりません勝っても。である。そんなこんなで日付が変わりかけたところでようやく曽我部恵一氏(DJ女性上位時代)登場。ごついおっさんだった。迷彩のレコードバックを肩からさげて、汚らしい髪型を振り乱しながら、ニコニコ笑ってやってきた。子供を幼稚園に迎えに行ったり、お風呂に入れて寝かしつけたりしなきゃいけないから大変なんだろう。けれどもディスクジョッキーの方はさすがで、選曲の雰囲気がガラっと変わったのが多少酔っていてもわかるほどであった。60〜70年代のポップスと、雑食だった黎明期の日本のロックがかかる。曽我部さんとは何回か目が合って、どの時もニコニコしていたのを覚えている。1時半ごろ、さすがに尻がつらくなって帰る。帰り際もニコニコしながらこっちを見ていた。帰りも駒場東大前まで歩く。途中で知らない人の家のポストに猫じゃらしをプレゼントする。その後、顔も知らない人のお宅に泊まらせていただく。本人不在。ゴキブリを始末する。おそらくチャバネ。玄関に大学のクラス写真が飾ってあって、なんだかんだ言っても家主は大学のクラスが好きなんだなと思う。朝、まだ暗いうちにその部屋を出ると遠くのほうに大きな大きなビルが見える。急に気分が持ち直して、ハンペン氏(21枚目)やOカザワ君が眠そうにしているなか、回りながらジャンプしながら坂を下って駅までおりる。岡村ちゃんが言うところのミラクルジャンプである。太ってからの曲だけど。こんな感じがさきおととい。