一人映画祭開催中

というわけで、センター試験が終わってTSUTAYAからクーポンメールが届いたので帰りに寄りました。黒沢清「LOFT」河瀬直美「殯(もがり)の森」小林賢太郎プロデュース「SWEET7」が三本の映像作品、それからCDをローゼズのセカンドとSONIC YOUTH に火がついたインディーズの最終盤を借りて。それでヤマダ電機によって(ヤマーダでんき!っていうメロディを考えたのはさまぁ〜ずらしい、しかもCM撮影中に即興で、あ、神さまぁ〜ずのDVD買うの忘れた)断線したイヤホンを新調しに行ったのです。イヤホンの良し悪しは価格だとか性能の問題ではなく、完全に好き嫌いの領域だと常日頃から思っているのですが、2000円なのだけれどすごく落ち着いた感じの音がする今まで使ってたイヤホンを僕はとても気に入っていていて、昔は買い置きをしていたのですが、ついに最後のやつを聴きつぶしてしまったので、同じのを買おうとしたらなく仕方なくオーディオテクニカから出てる同じ価格帯の商品を買って、デザインが多少変わっててモデルチェンジしたのかなぁなんて思いつつ耳に押し詰めてみたら、まぁひどい。僕が一番嫌いな類の音がするではありませんか。なんか、こう、シャリシャリ言う感じ。携帯電話から出てくる音みたいな。すごく下品な音です。特にスネアだとかシンバルがものすごく汚く聴こえてしまう。たぶん磁石の質とかをケチってるんだと思う。最悪。明日返品します。明日はCK32探しをしようかと思います。
ってそんなことじゃなくて、「LOFT」を今見たのです。やっぱりいいです。相変わらずセリフが圧倒的に少ない。不自然な部分も不条理な部分も説明一切ナシ。けれども言葉に頼りすぎないところが映画人としてきちんと仕事をしている部分だと思います。そして時折吐き出されることばがすごく効果的になってます。
以下、印象的だった会話。死体を掘り起こしながらのシーンで、男「君は何か宗教を信じているか?」女「いいえ」男「じゃあなんでもいい、祈っていてくれ」 ここには、宗教に対する寛容さというか、何か宗教(人知を超えたもの)の存在を感じるからこそ恐怖を感じるのであり、ということはきっとそういったものを心のどこかで信じているはずであるから、別にそれをどういう形で信じていようと関係ないから、それでも信じていてくれ、という複雑だけどとても優しい宗教観が見て取れないこともないです。ほんとガザ地区のやつらに聞かせてやりたいよ。
またこの映画でも水を飲むシーンの豊富さは健在で、みんな時にはおいしそうに時には苦しそうに水を飲んでいて、なんだか水飲み映画みたいでもありました。それから中谷美紀がたばこを吸いまくるシーンがいっぱい出てきて[美女×タバコ]派の僕のような人はモリモリご飯が食べれます。
それから、Vシネ出身の黒沢氏のいい意味でのVシネっぽさが出てるとも思います。ホラーの手法とか、カットだとかが。対象に対してカメラをずっと回してるんだけれど、ぶらすようにしてこまめにカットを変えたりするところが非常に効果的。ホームカメラで撮ってるような、もしくは監視されているような感じ。ところどころ、映画に興味を持って本格的に観はじめたばかりのころの人ならさぞかしがっかりするであろうわざとの玄人ご都合主義や、ちょっとB級テイストを意識したシックでかっこいい数々のギミックがあって、そして最後には落語のようなオチがついて大爆笑のうちにスタッフロール。ほんとにいいです。