水と油

水と油ははじき合う。これは常識である。そして、我々は往々にして、大量の水に少量の油が浮いているという状況に遭遇しがちである。ラーメンやみそ汁のように。そのため、浮いているのは油だという考えに支配されがちである。あの油のぷかぷかを全部つなげてひとくくりの大きなアメーバの反射にするという行為はしばしば一部の人間にたしなまれ、楽しまれているが、ある時、それを行った後にスープを飲んでみてもなんだかちょっと違う、という事態が起こる。つまりこては大量の油に少しの水分が浮いていたという場合の出来事である。そいつは、油を取り除こうとした結果、容器の中を全て油にしてしまったのである。少量の水分が油に浮いているような、一見すると問題ないが、実はイレギュラーな状態を見破れずに、見破れないどころか見誤って逆の行動をしてしまうという事が多々ある。悲惨。ギリシャ的悲劇とはそういうことだろう。