追いかける文字追いかける思い出を老いかけるときは追いかけている

本日深夜京都に戻ります。正月に少しと、2月か3月にまたこのモンスターシティ東京を訪れます。
八月後半に関する雑記
数日前、変な古靴屋で鼻をくっつけて嗅ぐとほんのりションべン臭いイタリア製の革靴を3000円くらいで買う。はき心地はとてもよい。どうなんだろう、損得勘定で物事は考えちゃいけないと思うけれど、どうなんだろう。水虫とかも心配。
22、23日は長野に行く。行きは都内の道は難しいからね、と言われて練馬からしか運転させてもらえなかった。父親の知り合い夫婦のログハウスに泊まる。その奥さんのほうが農林水産省のキャリアだとか秋田大学の教授をしていた人で、70歳近いにもも関わらずシャキシャキとした歩く知識みたいなおもしろい人なのだが、やたら人に酒を勧めるのが好きで困った。大学に入ってから一番たくさん飲んだんじゃないかと思う。少なくとも飲まされてあんなに飲んだのは初めてである。まず、昼の2時くらいからおやつと称する洋桃だとか、枝豆、とうもろこし、きゅうり、(地場産の野菜らしく、落ちたほっぺたを拾って食べてもまたほっぺたが落ちるくらいおいしい)とヱビスビールが出てくる。大きめのグラスで飲んでいたのも良くなかったのだが、飲むそばからつぎたされてゆき、4杯目くらいで死にそうになって断るも、「一気飲みしろって言ってるんじゃないんだから」とまたつぐ。結局3リットル近く飲んでノックアウト。5時に昼寝から覚めると、自家製のいかの塩辛とごはん(あまりにおいしいため、どんなに満腹でも胃に入ってしまうので、この米でお腹をいっぱいにするのはかなり難しい。)加えて鯉の洗いに鯉こく、天ぷらなどが出てくる。ビールを2リットルくらい飲まされたあと、前回の反省も踏まえて日本酒にシフトしたところ、またバンバン継がれる。断りつつも短時間に一合と半分くらい飲んでしまい、気持ち悪くなる。酒を飲んでて気持ち悪くなったのは、初めて酒を飲んだ時に、デトロイトメタルシティを読みながらジュース感覚で飲んでしまった時以来である。激ウマのごはんと塩辛と鯉こくを食べてなんとかしのぐ。も、ノックアウト、早々と二階に退避する。ざっと800冊ほどの本が置いてあり、ディケンズの本の数を数えたりしながら、丸谷才一の「裏声で歌へ君が代」を盗む。20ページほど読んだところで気づくと朝になっていた。帰りも都内は運転させてもらえなかった。東京駅の地下には首都高につながる駐車場があることなどを知る。とにかく、自然がいっぱいの場所だった。と無理やりまとめておこう。

24日は家でぼんやりしていて、25日は高校時代の友達と会う。ひたすら歩く。フィッシュマンズにwalkin'という名曲があるが、ずっと頭の中で鳴っていた。朝までひたすら歩いて終わった。また変なポーズをとったりしていたかもしれないが忘れた。ちなみに、マイルスのアルバムは「Workin'」である。

その後は午後から散歩をする日々が続く。三島由紀夫のレター教室が読みたくなって色々な本屋に立ち読みに行くが、ろくでもない本ばかり読んでお目当てのものは見つからなかったりする。「間取りの手帖」という本が面白かった。実際にあるひどい物件の間取り図に対して、作者が一言ずつツッコミを入れていくというもの。買うほどじゃないが漫画程度に。

Fried Dragon Fish
岩井俊二の映画はおもしろさのわかりやすさがポイントだと思う。絵もきれいだし、話も面白い、役者の使い方もうまい。小難しい意味よりも、おもしろさのほうが、映画としては重要視されるべき点なのかな、と思う。もしくは意味のおもしろさをわかりやすくする、伝えるという能力。天井を仰いで笑いだしたくなるような小気味よい話だった。

Jam Films
オムニバス形式の作品、行定監督が民主主義や自由や平和を乗り越えて妻夫木聡綾瀬はるかを視姦させる「justice」やストーリ一発ものの「けん玉」もよいが、コント風の「HIJIKI」がおもしろい。CGや小道具が上手く、ナイスの森を彷彿とさせる「cold sleep」には筒井康隆が出ていた。

Short Films
こちらもオムニバスもの。6作品あるが、大体の作品にピエール瀧麻生久美子が絡んでいる。「花とアリス」ならぬ「花とオジサン」のピエール瀧は必視。このDVDを見て麻生久美子に惚れない人は人ではない可能性があるので、お医者に行くことお勧めしたい。


こんな寒すぎる夏の終わりにはメランコリックでちょっぴりエロティックな、アメリカの動画を張り付けておこう。少なくともまだまだぼくは自由だからね。