日本人がボサノバを聞く理由

夕方眠かったので一旦寝たら11時間経っていましたとさ。ちょっとまずいけど睡眠が取れたからいいか。というわけで勉強0秒

JPOPに関して、歌詞で幻滅する事が非常に多い。歌詞はコンテンポラリーなもの、曲は時代を無視する可能性持っているものだと僕は思う。言葉は時代を反映するから古くなったりする。どんな名著でも、読まれなくなる。シェイクスピアがどうの・・とか言うけど、一体どれだけの人が読んだことあるんだろうか。代わりに駄文でも同時代の文体で書かれればそこそこ読まれる。そういう理由で聴かれなくなったいい曲もいっぱいある。

そういう理由で憂き目に合っているジャンルの音楽にボサノバがあると思う。ボサノバはシャンソンやサンバを鬱っぽい感じにしたブラジルの音楽なんだけども、60、70年代にちょこっと流行っただけですぐに廃れてしまった。ブラジルででさえほとんど聴かれていないらしい。ブラジルでボサノバを聴くという事は、日本で演歌を聴くということと同じなんだろう。ボサノバの需要が世界で最も高いのが、日本らしい。日本ではいまだにかなりボサノバが聴かれている。サウンドは抜群だから。BGMにもぴったりだし、ちゃんと聴き込んでも深い。コード進行はめちゃくちゃ複雑。というかそれを無理やり曲にするのかよ、っていうコード進行。にもかかわらずクラーべとかシンプルなアルペジオでまるめこんですごく気持いい曲に仕上がっていて、アントニオカルロスジョピン恐るべし。

という感じなのだけれど、日本でボサノバが聴かれる理由(日本人がボサノバの曲のよさに注目できる理由)の一つにボサノバの歌詞が全てポルトガル語だということが挙げられる。大体のボサノバの曲がクラシックギター、シンバル、ボーカルというシンプルな構成なので、ボーカルも楽器として捉えているのが特徴なのだが、(わざと入れてあるリップノイズとかは鳥肌もの)歌詞の意味がわからない事、加えて、ポルトガル語という非常にエキゾチックな発音の言葉で歌われている事で、ボーカルの楽器性が日本人の耳にとっては非常に高くなる。つまり歌詞の意味を排除して、ボーカルを楽器として聴いている事で、曲に着目する事ができたんじゃないだろうか。

と、朝ケイトブッシュがカバーしたBrazilとコーネリアスがカバーしたBrazilを聴いて思った。(ちなみにこの曲の歌詞は英語なのだけれど) ちなみに、これをテーマ曲にしたテリーギリアムの未来世紀ブラジルも凄くいい映画だ。